banz’s

お付き合いが始まったのは 地方で一人暮らし 40年近く前の 3年生 22歳の年 携帯電話なんてありゃしない その一瞬が大事だった 湖畔ライディングの帰り道 初めて声をかけたオートバイの社会人女性 話せば親分肌で、ナギナタをすると云う 引きずっていた想いを断ち切ってもらおうと 始まりは強引なキスだったけれど 深く求め合えるようになった 成人式はレンタカーで送り迎え 友達らとクリスマスパーティーを企画したり そう、就職もした こっそり旅行もした 転勤を言いだせないまま ご両親の許しを得てイルミネーションを観るナイトドライブの帰り道 打ち明けへの答えは 両親を置いては行けないと 転勤したその夏 彼女が上京 引きずった迷いを母親に打ち明けたら怒られたと云う でも愚かで汚れてしまった僕はツッパるしかできなかった 北へ帰る新幹線に乗り込む 麦わら帽子に淡い黄緑のワンピース姿が美しすぎて忘れられない 彼女は何も見えていなかったと思う 涙で 謝ることは許されない ずっと秘めるしかない 愚かな自分 再会が起きたら 救われるだろう 進めるだろう これも愚かな想いだな 良い思い出だ、としか考えられないから なによりも、あの時に戻りたいよ 今でも好きだから

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