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僕には大学時代に知り合った友人がいます。彼は自分の生まれ育った街を離れ、大学生活を賃貸アパートでひとり暮らしをしていました。彼とは共通の趣味である、フォークギターの弾き語りで、意気投合して知り合いました。練習場は彼のアパートです。今思うと私よりも彼が遥かにギターの腕前は高かったです。私も負けずにギターの練習をしたのですが、Fコードのギターの音色が霞んで聴こえるのは僕も知っていました。彼がリードギターを、僕はリズムギターのパートを弾き、メインボーカルは僕が唄い、彼はハモリのパートを唄っていました。そして夢はeasy moneyを貯めて、大学生活の締めくくりの記念として、レコード製作を行うことでした。
しかし、そう簡単にeasy moneyは溜めることはできず、就職試験に突入しました。
就職試験に入ったら、お互い時間のすれ違いで、ギターの練習で会うこともなくなってしまいました。お互い大学卒業後は僕は関東のメーカーに、彼は関西のメーカーに就職し、彼と交わすのは年初の年賀状のみになっていました。
そんな彼から年賀状以外で手紙が届きました。その手紙には学生時代から付き合っていた彼女と結婚する報告と、結婚式への参列と披露宴に参加してほしいと記載されていました。
披露宴では余興として久しぶりにギター演奏しようという文字が太字で書かれていました。
一緒に音合わせを行ったのは結婚式&披露宴当日の1時間程度です。
学生時代が蘇る楽曲を彼と共に、彼女、そして親族、立席した皆さんの前で無事に演奏することができました。
その楽曲こそが、浜田さんの君に出会う前は です。
彼にとっては、奥様になる彼女に出会う前は、
僕にとっては、彼(お前)に出会う前は。
今でも、君に出会う前は を浜田さんの声で聴くたびに、彼(お前)とあの頃の僕(自分)を思い出します。ありがとう。君に会うまでは。

薩摩おごじょ 2024/08/04
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