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数年前の失恋を引きずっている只中に彼は現れました。

初デートは講義の帰りによく友達と過ごしているお店。
テリトリーをオープンにする。
バイトの終わりには必ず表参道沿いにある公衆電話から電話を掛けてきてから、彼は自宅に帰っていた。
お付き合いして初めての年末には「帰省するけど一緒に行く?」なんてあっさり聞いてくる。

私が浜田さんのコンサートに行く予定と伝えると彼も行きたいと。
その頃はチケットも入手しやすく一緒に。
「私、浜田さんの曲を聞くと泣くよ」と伝えると
「大丈夫。ハンカチ沢山持ってきたから」って。

それからは彼も浜田さんを聞き、彼がギターを弾いてあれもこれも歌って、色々なことに笑ったり、嬉しかったり、辛かったり沢山の感情がうまれて。

変化を楽しむ覚悟があれば、彼との人生を歩む選択ができた機会は何度かありました。
でも、決心が付かなかった。
私は別の道に。
彼も別の道に。
何れ彼は実家のある広島に戻って行きました。
広島の彼から幾度となく電話はありましたが、やはり決心できずに。

星が覆い尽くす広島の夜空は忘れられません。

今でも彼は広島でのライブに出掛けているようです。

知香映 2024/08/04
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