「One, Two, One, Two, Three, Four !」浜田省吾が叫んだ。
その瞬間、幕が落とされ「路地裏の少年」が始まる。感じたことのない高揚感。
少年が生まれて初めて見たロックコンサートのオープニングだ。
これは私が小学校6年生の時の話である。当時の私は小学校の金管バンドクラブに所属しその練習に明け暮れる日々を送っていた。クラブ活動の関係で地元の小さな文化会館のような会場に足を運ぶ機会は何度もあった。ステージの上に立って演奏する楽しさは今でも忘れず覚えている。父が浜田省吾の音楽をよく聞く影響で家や車の中でよく流れている日常だった。しかしながら当時の自分は全くと言っていいほど興味を示していなかった。そんななか父が浜田省吾のライブに誘ってくれた。あまり乗り気ではなかったがライブの日が金曜日で小学校を休めるからという理由で参加することにした。そしてライブ当日2016年10月14日。神戸ワールド記念ホール。会場はグッズを買う人、路上で歌ってる人、ツアートラックの周りで写真を撮る人などまるでお祭りのような雰囲気だった。会場時間が近づき入場列に並ぶ。なんとも言えないワクワクする感じを覚えている。この入場待ちの雰囲気は今でも好きだ。そして座席券を受け取り会場内へ。デカい。とにかくデカい。スモークがうっすらと炊かれている会場。巨大なレンガ調のステージ。夥しい数の機材。クラブ活動とは比べ物にならない規模に仰天していた。自分の座席に座り開演を待つ。開演時間が近づくにつれて緊張感が伝わってくる。そして開演時間の18時ちょうどに客電が落ちる。大歓声の中オープニングムービーが流れる。風景や建物が映し出されそれはやがてJourney of a Songwriterのアルバムジャケットになった。緊張感高まり自分の鼓動が聞こえる。
その時浜田省吾のカウントとともに「路地裏の少年」が始まった。
「本物だ。」この言葉とともに感情が込み上げてくる。なぜかわからないが少年は涙してしまった。少年は一瞬にして浜田省吾の虜となったのだ。コンサートの予習など全くしてない。曲もほとんど知らない。だが少年はノリノリで踊った。自分でもよくわからない。しかしながらとにかく楽しい。自分にとって新しい何かを見つけた瞬間であり浜田省吾との出会いはこれまでの自分の人生を変えた。コンサートはあっという間に終わってしまった。
それからというもの少年の日常は「オレの初恋はロックロール そして今も夢中で追いかけている」まさにこの通りになった。FC会員にも入会しそれ以降のツアーは父とほぼ全て参加している。大学生の今でも自分の日常に浜田省吾は欠かせない存在になった。
私が初めて参加したコンサートは「ON THE ROAD 2016」そして父が初めて浜田省吾のコンサートに参加したのは「A PLACE IN THE SUN at 渚園」。
この二つのコンサートの共通点はどちらもオープニングが「路地裏の少年」であったのだ。
Niwatori
2024/08/04
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