ふーやん

浜田省吾さんの曲を知ったのは23才の時。 幼馴染で友達だった初恋の人からもらったカセットテープに入っていた『BREATHLESS LOVE』。 とても気に入ったので『Wasted Tears』を買って、彼女とドライブに行く時に毎回聴いていた。その流れで浜田省吾さんのアルバムをたくさん聞くようになった中で『少年の心』に出会った。 本当は狂おしいほどに恋しているのに、親友の妹で幼馴染の彼女との関係を壊すのが怖くて、何も言えないまま…友達のままで毎週のように家に遊びに行ったり、二人でドライブしたりしていた。 だから『少年の心』を聴くたびに…このままずっと、何も言わずにそばにいるから…そう自分に言い聞かせていた。 ドライブの帰りに、夕焼けをバックに助手席で無防備に寝息を立てる彼女。悲しいくらいに俺の中で歌の歌詞とリンクして泣きそうな気持ちになった。 今でも『少年の心』を聴くたびに、初恋の彼女のことを思い出す。 そして、狂おしいほどに彼女を愛していた自分自身の気持ちを思い出す。 最終的には俺のせいで初恋の彼女との関係は壊れてしまったけれども、あんなに長い間一人の人を好きになって強く強く片思いをした時間は、まさに青春そのものであり、俺の心の中の宝物だ。 そう。誰にも見せることのない、大切な宝物。 後日談だが、今でも俺は浜田省吾さんの歌が大好きでツアーには毎回参加している。 が、実は今の嫁さんは俺以上に浜田省吾さんの大ファンで、気がつくとファンクラブの会報を繰り返し読むほどの熱狂ぶり。 そんな嫁さんと穏やかで最高に幸せな人生を送っている。 宝物は心にそっと秘めたまま。

投稿されるユーザーについては、利用規約に同意したものとみなします