inopapa

僕が浪人生だった頃、40年前の話だ。 大学入学を目指して、詰め込み受験勉強を毎日、同じ浪人仲間と競うようにしていた。 「今日は1日中家に缶詰でやったよ」とか自慢しながら。 ある日、近所の貸レコード屋で借りてきた、浜田省吾さんの「Illumination」をカセットテープにダビングしながら勉強をしていた(今から思うと、歌詞付き音楽聴きながらの受験勉強って熱心さに欠けてたな・・・)。 ミッドナイト・ブルートレインが始まり歌詞が聴こえだすと、僕は詩の世界にどんどんはまり込んでいった。 何故かはわからないけれど、涙が流れ落ち、曲が終わってもしばし呆然としてた。 我に返ると、外は暗くなっていて、なんとも表現できない感情に、その体験に驚いていた。「ハマショーいい!」って。 ありがちだけど、受験勉強しながら、この勉強なんの意味がある?って思っていた。もっと心躍る体験、音楽聴いたり、バンド仲間とスタジオ行ったり、映画観たり、仲間と語り合ったり、今しか感じられない体験しないでいいのか?って思っていた。でも現実には、そうはいかず「将来のためだ!我慢ガマン!!」と熱心ではなかった受験勉強中心に日々を過ごしていた。 だから、 何処へいくのか 何をしてるのか 時々わからなくなるよ (僕もわからなくなっていた) 過ぎ去っていくレールの上で 時は過ぎてく 瞬く間に 描いた夢と 叶った夢が まるで違うのにやり直せもしい(そう、やりな直せない!) もう帰ろう みんな投げてて(そうしたい!) でも何処へ 一体何処へ (僕同じだよ、わからない・・・) こんな感じで、僕は歌詞の世界にどっぷり浸かった。 で、少し救われた気がした。 また、なんで僕のこと知っているの?とも思った。 その後、ダビングした、ミッドナイト・ブルートレインを聴きながら、想いに浸り、いつかきっと必ずと思ってた。 ミッドナイト・ブルートレインは僕の青春時代を支えてくれた曲です。 最近、浜田さんのライブに行った時、ミッドナイト・ブルートレインを演ってくれて、その時も当時を思い出して何故か涙が止まらなかった。これは、ありがとう、っていう浜田さんへの感謝の涙だ。あの頃の僕に寄り添ってくれてありがとう。 周りのオーディエンスも涙していた、きっとそれぞれに寄り添ってくれた曲なのだ。僕だけの曲ではなくて、ちょっと残念だけど、互いのエピソード話したら、盛り上がること間違いなしだ。

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