みっちー

父は浜田省吾さんがとても好きで、どこかへ行く時は車の中で必ず流れていました。その影響で私も浜田省吾さんが好きになりました。 1994年当時6歳で、父が運転する車の中でこの曲がよく流れていました。 カセットテープのA面からB面に変えるタイミング、この曲を聴いていた時に見ていた景色、父の運転する姿を今でも覚えています。 私が中学生になった時に、父は癌で他界しました。 父が他界した後はこの曲を始めとする、全ての浜田省吾さんの曲を聴くことが出来なくなりました。 私も大人になり、ふと実家に帰った時に屋根裏部屋にしまってあった古いラジカセとカセットテープを引っ張り出しました。 実家の屋根裏部屋に今でも大切に残されていたカセットテープ。そのカセットテープの表紙に父の字で書かれていた「浜田省吾」という字。ラジカセから当時よく聴いていた「こんな気持ちのまま」が流れてきました。 その瞬間に父の思い出が一気に蘇り、涙がとまらなくなりました。 中学生だった私にとって、大好きな父との別れが受け入れられず、父の好きだったものまで距離を置いていました。この曲を聴いた瞬間、そんな私を許してくれるかのように目の裏に優しい父が映っていました。 そんな私も結婚をし、子どもに恵まれました。 36歳になった今、6歳の子どもとの車移動の際は「こんな気持ちのまま」が流れています。 当時父が私に聴かせてくれていたように、今度は私が子どもの記憶に残るように、大切にこの曲を聴いています。 音楽は一瞬で当時に戻れる素敵なツール。 この曲を教えてくれた父に、そして浜田省吾さんに感謝いたします。

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