ささちゃん

私が中学生の時 クラスのSくんが早朝アルバイトで新聞配達をしていた。 私は彼からきみの家にも配達していることを 聞いて時々手紙を玄関に貼ってみた ある朝 新聞と一緒にカセットテープが挟まっていた。当時ラジカセの時代ドキドキしながら流してみる そこには「陽のあたる場所」の曲だけ録音されていた。初めて聞いた時、まだ若すぎてわからなかったけど歌詞カードがコピーされていて蛍光ペンでラインが引いてあった。 愛だけ愛だけ見つめ季節は過ぎてゆく なんて素敵な言葉だろうとこの歌を歌っている人が気になり彼に聞いてみた。 浜田省吾っていうんだよ。省吾さんは33歳 私は13歳 大人の男性 ラジオを聞いてると「片想い」がよく流れ 省吾さんの事を好きになっていった。 彼のお兄さんがレコードを持っていて 他にもたくさんいい曲あるから聴きに来る?と誘われてクッキーを焼いてよく家におじゃましていた。 お互い自分の気持ちは胸にしまったまま 会うたびふざけてばかりいた やがて別々の高校に行き 広島と福岡離れ離れになり 彼とはお付き合いすることはなかったけど 省吾さんを知れて好きになれて私の人生を豊かにしてくれたことに変わりはない。 あれから39年 私は今も変わらず省吾さんに恋している。

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