クラッシャージョウ

大学4年卒業前の2月 付き合っていた彼女はエレベーターガール 会える時間はいつも彼女の仕事帰り 毎週金曜日、彼女の仕事が終わる決まった時間に待ち合わせ、3時間のデート。毎回、終電で別れる繰り返し。 その日だけは違っていた。 いつも遅れてくる彼女が、いつもの場所で待っている。 いつもと違う笑顔と… いつもと違う髪型で… 「髪 切っちゃった」と… 「今日 失恋するんだ」 俺も今日が最後と決めていて、別れを伝えるつもりだった。一緒に俺の田舎に来てとは言えずに。 変わらず、食事をして、酒飲んで、時間を確認すると 彼女は、俺が誕生日にプレゼントした腕時計をしていなかった。「親に言ってあるから今日はいいの」 翌朝 いつもは、俺が見送るが、その日は、彼女がホームで「夢や希望があるっていいね」と言い残し、俺を送ってくれた。35年前になるなあー。

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