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グッドナイト・トーキョー

浜田省吾 / 1990年

16歳の私は都会に憧れ恋を夢見ていた。
そんな私の前に新卒の男の先生が現れた。
女子校だったせいもありちょっとだけ気になる存在だった。
なかなか話す機会はなかったけど修学旅行の時に
そのチャンスが訪れた。
何故か先生は数本のカセットテープを持っていた。
その中に浜田省吾さんの「イルミネーション」があった。
「先生も浜田省吾好きなん?
修学旅行の間だけ貸してください」と半ば強引に持ち去った。
当時、音楽大好き少女を気取っていた私は友達と相談し
小さなラジカセをこっそりと持参していた。
クラスメイトが寝静まったらお布団に潜り込んで
ラジオや音楽を聴こうと計画していた。
実際は昼間の観光スケジュールに疲れて
それどころではなかった。
修学旅行最終日の夜がやって来た
明日はカセットテープを返さなくてはならない
同室のクラスメイト達が入浴中に部屋に残って
借り物の浜田さんのカセットテープをひとりで聴いた。

東京のどこだか分からないがホテルの窓からは
見た事のない電車に見た事もないたくさんの
人 人 人が乗っている。
次から次に電車はやって来る。
地方都市に住む高校生には衝撃的だった。
その時に流れて来たのは浜田さんの
「グッドナイト・トーキョー」だった。

この1か月後に地方都市の大学祭で浜田省吾さんの
生歌声を聴くことになるとはその時は思いもしなかった。
浜田さんに夢中になって先生の事はすっかり忘れてしまった。1979年の秋の出来事だった。
カセットテープきちんとお返ししました。

くまそら 2024/09/10
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