ペペリーナ

大学生だった。手痛い失恋で死にかけていた。失恋なんて、死ぬほどのものじゃない。今なら笑ってそう言えるけど、19歳の私はただ苦しかった。駅のホーム。猛スピードで走り抜ける快速電車のそばに行きたい、そのままはね飛ばされたいと本気で考えた。ふらふらとホームの際に歩きかけた。その時、(ウォークマンは聴いてなかったのに)脳内に突然流れてきたのが『COMPLICATION SHAKEDOWN』だった。 次にはGo 次にはStop 傷つき続けな 憂うつな気分にかき立てられても 上手にシェイクダウン 私に言ってる?!と目が覚めた。それは大げさな表現をすれば「啓示」だった。神からの、ではなく、佐野元春というロックンローラーからの。『COMPLICATION SHAKEDOWN』は甘くて優しい「人生の応援歌」ではない。でも私を「生きること」に引き戻してくれた。今も聞く度に、あの時の気持ちを思い出す。

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akemix

まさに「啓示」という表現がぴったりの出来事ですね。 ホームでそのタイミングで脳内再生… 臨場感あふれる文章に鳥肌が立ちました。 佐野元春というロックンローラーからは時に 「啓示」を受けとることがありますね、本当に。 貴重なお話をお伝えくださり感謝します。

ゴールデンチャイルド

胸が痛くなるエピソードを思いきって聞かせてくださり、ありがとうございます。 それは正に啓示ですね。