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1995年に佐野元春を知って以来、夢中になって毎日聴いた。大学の行き帰り、自室のベッドの上、いつも佐野元春がいた。
特にお気に入りは3枚組のライブアルバム『The Golden Ring』だった。
The HeartlandとTokyo Be-Bopの完璧なアンサンブルの上で、ワイルドで説得力があり、それでいて色気のあるボーカルに夢中になった。
ライブに行ってみたいと思ったけれども、多少の危惧があった。
佐野元春を知る前、大好きだったミュージシャンのライブに初めて行ったとき、ライブアルバムやライブビデオの収録のときには全力でベストなパフォーマンスをするものの、ツアーの中のある1日ではそんなにテンション高いわけではないんだなと残念に思ったことがあった。きっと佐野元春もそうなんだろう。

1996年、「フルーツツアー」のチケットを友人が取ってくれた。初めて生で見る佐野元春は、1曲目から「それまで毎日聴いていたあの佐野元春」だった。
録音していようがビデオカメラが入っていようが関係ないんだと鳥肌が立った。

ライブの終盤、「ロックンロールナイト」が始まった。
出会ってから1年の間に何百回と聴いていた曲だった。
曲の後半、「ウオオオオオオ」と雄叫びを上げる瞬間がある。
口を大きく開け、天を見上げて咆哮するその姿は、まさに「ライオン」そのものだった。

収録しているから全力を尽くす。収録日まで力は温存する。それもプロなんだろう。
佐野元春からは、プロ以上の、生粋のアーティストを感じた。
以来、僕は佐野元春に夢中だ。
彼は今でも、プロ以上の、生粋のアーティストのままでそこにいる。

富岡蒼介 2025/05/09
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