彼女はブルー

浜田省吾

楽曲を聴く

投稿されるユーザーについては、利用規約に同意したものとみなします

あれから2人…

二十代前半から約4年間お付き合いしていた彼がいました。 2人とも浜田省吾さんの大ファンでな、何度も一緒にコンサートに行ってました。 彼は19歳の時に交通事故で大怪我をし、十数回手術を繰り返していました。 足が少し不自由で、お付き合いしてからも入退院を何度かしていました。 怪我のことや事故の時の問題が色々あり、周りからはあまり賛成されていませんでした。 それでも2人で支えて合い、将来のことも考えて過ごしていました。 3年半がすぎた頃、些細なことで口論になり私が「別れる?」と軽く言うと、彼からはその言葉を待っていたかのように「じゃあ別れよう」と言われました。 それから私は何度も冗談だよ、嘘だよ、やりなおそうよ、と言っても全く聞いてくれませんでした。 別れたい理由も教えてくれませんでした。 そんな中、友人の結婚式に2人とも招待されていて、気まずい中2人で出席しました。 車に乗せてもらった車内で、彼女はブルー、がかかってきました。 すると、♪痩せたね横顔♪、の歌詞を、♪痩せたねヨウコの顔♪、と私の名前にして笑って歌ったのです。 私は彼との別れ話が出て、この日までの約1か月で10㌔近く痩せていたのです。拒食症になり苦しんでいたんです。ショックでした。 結婚式の帰りには彼の前方不注意で交通事故に遭いました。もう全てが最悪でした。 その後、私と別れたい理由がわかりました。 彼のお家に私の物を取りに行った時、彼の日記帳が机の上に置いてあるのを見ました。 ダメだとわかっていたのですが、みてしまいました。 そしたら19歳の時に入院していた時の看護師さんと付き合っていました。彼女は結婚して2人の娘さんがいました。いわゆる不倫でした。 彼に問い詰めると、旦那様と別れてもらって結婚すると言われました。 その帰り何もかもがわからなくなり車を走らせながら、ダムに来ていました。 死んでしまおうとずっとダムの底を見ていました。 もう30年近くたちますが、いつ聴いてもそこの歌詞を変えて歌う私がいます。 浜田省吾さんのCDを全部返してもらえず、また買い直しました。 辛い思い出が多い曲がたくさんあるんですが、やっぱり浜田省吾さんがいちばん好きなんです。

省吾兄ちゃん

あれは僕が28歳の頃でした。 僕が働いている会社に一人の女の子が入社してきました。 彼女は体に障害があるということで、職業安定所からの紹介で入社してきたのです。 僕も体に障害があり右足は義足をつけての生活をしています。 彼女は幼い頃から耳が不自由で難聴ということでした。 当然、会社での会話は手話や筆談で行っていたようです。 話す声ははっきりしてて言葉もわかりやすかった。 1か月くらい過ぎた頃、突然あの子から「今度の土曜日に 聴覚障害者達のパーティーがあるので来てもらえませんか?」と、誘われたんです。 でも僕は「手話できないよ」と言ったんです。 「大丈夫!私が通訳するから」と、なかば強引に行くことになったんです。 パーティーと言うよりも交流会みたいな感じでお互いの近況を伝えるみたな感じでした。 食事も終わり帰りは僕が車で家まで送ることになり、そこで彼女から思いもよらない言葉を聞かされました。 「会社で見るあなたのさわやかな笑顔が好きになったので、私と付き合ってください」という言葉でした。 「ホントに僕でいいの?」 「あなたはいつも誰にでも優しいから、笑顔も素敵だから」ってことでした。 お互い重さは違っても体に障害を持つもの同士だから分かりあえると思ってしばらく考えたうえでOKの返事を出しました。 それからというもの、毎日が楽しい日々が続きました。 そのころテレビ番組で酒井法子さん主演の「星の金貨」というドラマが放送されていて、その主題歌の「碧いうさぎ」が手話付きで酒井法子が歌ってるのを見て凄く感動した。 それからというも彼女の為にも手話を覚えようと、今、日常に溢れているものすべてを手話で伝えられたら素敵ことだろうと思い本気で手話を覚えはじめました。 まずは、指文字で50音順の「あいうえお」から覚えていき、朝の挨拶、お昼の挨拶、夜の挨拶、たくさんの手話を 覚えていきました。 一つ一つ覚えるたびに喜んでくれて、お互いに筆談ではなく 手話で話せるまでになっていました。 それから二度目のデート夜二人は結ばれました。 そのとき、彼女の体にたくさんのアザがありました。 聞くと、実は彼女はバツイチで前の旦那から毎日のようにDVを受けていて、名古屋から逃げ出すように、実家に戻ってきたらしい。 それを聞いて俺が守らなきゃという気持ちになった。 その後、僕の誕生日に浜田省吾さんの「青空の扉」というアルバムをプレゼントしてくれて、その中にある「彼女はブルー」という歌を聞いたときに、まるで彼女のことみたいだなって思い、この歌を手話で伝えてみようと一生懸命覚えました。 彼女はすごく喜んでくれてました。 しかし、楽しかったときも時間が経つにつれて次第に薄れていき手話でケンカもするようになり、「あんたの手話わからん」とまで言われるようになり、僕は僕でそこまで言われてイライラがたまっていき、とうとう最後には僕も彼女に手をあげてしまってた。 そして、彼女は会社を辞めていき、最後の手紙でもう逢えないので連絡しないで下さい。 とだけ書いてありました。 あれから28年経った今でも彼女はブルーを聴くと手が勝手に動いてしまいます。